API連携のセキュリティ対策を詳しくご紹介|APIによくある攻撃や狙われやすい理由も解説します
APIとは「Application Programming Interface」の略で、あるソフトウェアが持つ機能を共有するための仕組みです。
一般にHTTPメソッドを使った通信をするAPIをWeb APIと呼んでいます。
例えば自社の公式サイトに所在地を載せたい時は、グーグルマップから提供されているAPIを利用すれば簡単に載せられます。
このように多くのサイトが外部のサービスと連携するために幅広くAPIを利用しているのです。
しかし、便利なAPIにもセキュリティという課題が内包されています。
今回はなぜAPI連携のセキュリティ対策が必要なのか、また狙われやすい理由についても解説します。
目次
APIはセキュリティ向上が課題
インターネットが普及してスマートフォンで地図を見たり、ネットショッピングを楽しんだりできるようになりました。
店舗を必要としないネットバンキングも広がり、パソコンやスマートフォンで預金残高を確認したり振り込みしたりできるようになりました。
これらは全てWeb APが活用されているからできるのですが、一方で悪質なハッカーたちはAPIの脆弱なセキュリティを利用して不正アクセスを世界中で行っています。
このような不正アクセスから情報漏洩・ウイルス感染を防ぐためにもセキュリティに対する施策を考える必要があります。
APIは固有のセキュリティが必要なのですが、Webアプリケーションと同じセキュリティ対策をしているところがほとんどといっても過言ではありません。
Webアプリケーションのセキュリティ対策だけではAPIの脆弱性を確認することは不可能です。
APIによくある攻撃
まずAPIによくある攻撃についてみていきましょう。
重要データの閲覧
企業はAPIを利用してデータを送信しますが、APIがハッキングされると個人情報・機密性の高い金融情報・医療情報などが流出し悪用される恐れがあります。
Webアプリケーションと異なり、APIのセキュリティ対策ではどのような情報を送っているかによって対策方法が異なります。
特に認証情報が漏れると下記のようなリスクに注意してください。
- データを全て消去される
- プライバシーに関わる情報を抜かれる
- 違法なデータをアップロードされる
- 不要なデータが大量に送られてくる
このような事態になると社会的信用問題にまで発展し、企業は多大な痛手を被ることになりかねません。
アプリの不正利用
スマートフォンでは機能が充実し大量の個人情報が格納されていますが、サイバー攻撃はこうした個人情報をターゲットにして多くの不正なアプリケーションを使い被害を与えています。
例えば、スマートフォンやパソコン端末のロックやファイルの暗号化をするモバイル版ランサムウェアによる身代金の要求・ホーム画面に迷惑広告を繰り返し表示させるアドウェアの被害などです。
一見すると普通のアプリのように思える不正なアプリケーションを誤ってダウンロードして被害を受けるケースも年々増えており、手口も巧妙化しています。
APIが狙われやすい理由
なぜAPIがターゲットになりやすいのでしょうか。それにはAPI独特の設計によるものが大きいといえます。
具体的に解説します。
仕組みを悪用しやすい
ソフトウェアの開発の過程ではさまざまな要因があるため脆弱性を完全に遮断することは不可能だといわれています。
機能の追加・修正・アップデートが重なると複雑な構成のプログラムになりセキュリティが脆弱になる可能性が少なくありません。
また、開発者側のセキュリティに対する認識不足も指摘されています。
しかし、100%のセキュリティを施すことは高度な知識を持った専門家でも不可能であり、こうしたアプリの脆弱性を突いて不正アクセスをするケースが多いです。
API独自のセキュリティ対策が不十分
また、自社のネットワークのセキュリティ対策はしっかりできていると過信していることも問題のひとつと考えられます。
いくらネットワークのセキュリティ対策をしてもサーバー上の情報に不正アクセスは可能であり、最悪のケースとしてサーバー内のデータを全て抜き取られることも実際に起こっています。
ネットワークのセキュリティ対策とAPI独自のセキュリティ対策は異なりますから、APIの仕組みを理解してそれぞれにふさわしい対策を施しましょう。
APIを保護するシステム
それではAPIを保護するシステムについて具体的な例をあげて解説します。
OAuth
「OAuth」とは複数のWebアプリを連携して動作させる仕組みで、例えばWebサービスを利用する際にIDとパスワードを入力して認証します。
アプリ間の連動では利用する方のWebサービスが操作される方のAPIを呼び出してユーザーリソースへの利用やアクセスを可能にしています。
OAuthでは毎回個人情報を入力せずシームレスで利用できる仕組みですが、反面悪用されるリスクも少なくありません。
対策としてはWebサービスを利用する際にOAuthをむやみに許可しないことです。
そのサービスが発行しているOAuthを確認して身に覚えがない場合はアクセスを許可しないでください。
こうしたことから身を守るためには定期的なパスワード更新が欠かせないということです。
REST
「REST」とは「Representational State Transfer」の略でHTTPメソッドを利用しWebサービス固有のURIにアクセスできるAPIをいいます。
RESTはサーバーとサーバーまたはクライアントとサーバー間のデータのやり取りを暗号化し変更されないようにした規格です。
また、RESTはJavaScript Object Notification(JSON)も利用しているためWeb上でデータ転送が容易であるため、高速で柔軟性に優れたAPIです。
SOAP
SOAPはWeb Services Securityと呼ばれる組み込みプロトコルを使用し、確実性と認証をもとにルールセットを定義しています。
総合的なセキュリティ対策が行われているSOAPは国際的規格団体が奨励する規格セットを順守していることから多くの企業でも利用されています。
APIに応じたセキュリティ対策が大切
APIのセキュリティはAPIの十分な知識・技術・仕様を理解した上で行わなければならず、APIに関していえば既存のセキュリティ対策とは別に設ける必要があります。
100%セキュリティ対策をしたAPIを設計することは不可能であり、仮にできたとしても利用しているうちにミドルウェアなどで脆弱性があれば不正アクセスされる可能性があります。
Web APIのセキュリティでは3つの点についておさえておきましょう。
- APIの利用は適切な認証・許可をAPI仲介レイヤーで実行する
- 同意を得たデータを世の中で安全と認められた技術で実現する
- 不正なAPIパラメーターの通信をブロックする
金融機関であればFinancial-grade APIに準拠したものを利用するなど実装面で信頼性の高いAPIを活用しましょう。
APIはさまざまな種類がありユーザーによっても返すデータが異なるため、それぞれに応じたセキュリティポリシーの設定が欠かせません。
攻撃者は対象になるサーバーにさまざまなHTTPリクエストを送りつけてきます。
正常なパラメータから規定外れのパラメータなどを送りつけることで攻撃しやすい情報を搾取しようとするのが一般的です。
そのためには規定を外れたパラメータを察知しブロックするシステムを導入しなければなりません。
また、Web APIを提供するサーバーやバックエンドで動作しているサーバーに挙動不審な動きを監視するシステムを導入することで情報漏洩などを未然に防げます。
API連携のセキュリティ対策
APIにセキュリティを実装するといいましたが、具体的にどのような対策をすれば良いのか詳しくみていきましょう。
トークン・署名の使用
APIを強化する方法としてトークンを使用する方法があげられます。
トークンには個別のIDが割り当てられるため不特定多数の人がアクセスするのを制御できます。
さらにTLSを用いてデータを暗号化して署名を要求するように設定すれば、ほかのユーザーがなりすましてデータを盗み取ることはできません。
暗号化通信の推進
最適な通信方法としてはオープンネットワークを使用する際は、第三者による不正アクセスを防ぐためTLSを使用することが必要です。
監査機能の向上
不正検知・監視機能は不正アクセス被害の発生を未然に防ぐ対策として重要です。
例えば、WebAPIを提供しているサーバーなどにEDR(Endpoint Detection and Response)と呼ばれる監視機能を持ったシステムの導入が有効です。
EDRとは、PCやサーバーといったエンドポイントにおけるインシデントなどが発生した時に迅速に対応できるセキュリティ対策製品になります。
特に遠隔操作にも対処できることからテレワークなどで会社以外の場所で仕事をする方には大きなメリットが期待できます。
使用履歴の把握
APIの監視機能としてアクセス履歴を把握することが大変重要です。
クォータを設定すればAPIの使用履歴が追跡できるためより不審なアクセスを察知できます。
不正アクセスして顧客情報や個人情報を搾取するハッカーからの攻撃を防ぐためには常にログの監視が欠かせません。
不審なアクセスは頻繁に発生するものが多く、複数回アクセスを試みる異常値があれば察知するよう対策を講じましょう。
API攻撃の被害を防ぐために
モバイルやIoTデバイスが広く普及してアーキテクチャが異なるアプリケーションが増え続けています。
そうしたアプリケーションはAPIを活用することで効果的にデータ連携が可能になりました。
しかし、それにともないAPIの脆弱性も多くなっているのも事実であり、ハッカーからの攻撃を未然に防ぐことが最重要課題です。
ここでは被害を最小限に食い止める方法について解説します。
顧客への注意喚起を徹底する
APIを利用するユーザーには不正アクセスを未然に防ぐために必要な注意喚起をすることが求められます。
例えば、下記のような点は必ず毎回チェック項目としてあげておきましょう。
API接続のログインパスワードは類推されやすいものを避ける
適切な管理に努め第三者に貸与・開示しない
パスワードは定期的に変更すること
セキュリティ対策ソフトの導入
顧客へ注意喚起をしない場合、情報漏洩などが発生した際には損害賠償責任に問われる可能性もあることから特に注意が必要となります。
情報利用先のリンクを確認する
APIでアプリケーションを利用する場合は、リンク先が信頼できるかどうか注意しなければなりません。
接続先のセキュリティレベルチェックはもちろん開示情報など精査して認証に値するかどうか検証しましょう。
APIのセキュリティはぜひ弊社にご相談ください。
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弊社ではお客様に最適なAPIのセキュリティを提案し、導入後のサポートもいたします。
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APIのセキュリティ対策で顧客データを保護しよう
大企業および中小企業に大きな打撃を与える情報漏洩はセキュリティ上で最大の懸念のひとつです。
機密データの損失は財務・ブランド・信頼などに大きな影響を与え金銭的損失だけでなく社会的信用にまで及びます。
現在、多くのアプリケーションはAPIを介して情報データを収集していますが、ほとんどの組織ではサイバー攻撃に対してAPIセキュリティ対策を施していません。
ネットワークのセキュリティだけで完結してしまっています。
APIの脆弱性は以前から指摘されている通りそれぞれに応じた対策が欠かせません。
100%の対策は無理ですが限りなく近づける対策にトークン・暗号化・署名・使用履歴などの管理が必要です。
企業が持つ情報は顧客の大切な情報であり、企業にとって財産です。
サイバー攻撃で損害が出ないように未然に防ぐ対策を行っていきましょう。
API連携のセキュリティを強化させたいなら
APIが広く利用されるようになって、企業ではさまざまな情報の送信・取得がスピーディーにできるようになりました。
これは大きな進歩といえますが、一方でこのAPIの仕組みに目を付けた攻撃者が不正にアクセスして情報を搾取・不正出金・サービス停止などを世界中で行っています。
APIを利用するには同時にしっかりとしたセキュリティ確保が欠かせません。
しかし、どの企業でも高度なITの知識や経験などを持った専門家がいないため、API独自にどのようなセキュリティ対策ができるのか分からないのが現状です。
完全なセキュリティ対策を施したプログラムはありませんが、綿密な設計と対策を講じられる弊社ならAPIのセキュリティ確保が可能です。
APIには個別に汎用的なセキュリティ対策ではなく個別の仕様に合った対策が求められます。
セキュリティ性に優れたSaaS連携サービスのパイオニアである弊社は信頼と実績があります。
API連携のセキュリティを強化して安全で継続的なビジネスを
なぜAPI連携のセキュリティ対策が必要なのか、また狙われやすい理由について解説してきました。
API連携をすればコスト削減・業務の効率化につながり企業の収益にも大きなメリットがあります。
しかし、アプリケーションが複雑化していく中でAPIの脆弱性がサイバー攻撃の温床になるリスクもあります。
その対策として確実なセキュリティ対策をすることが悪質なアクセスから情報搾取を防ぐ有効な対策です。
弊社は企業との長い信頼関係のもと、APIの設計・運用・保守と一貫したサービスを提供しています。
サービス導入後も弊社が独自で行うコンサルティングサービスは、継続的な有益な支援サービスだと評判です。
ユーザー様に専門的な知識や技術がなくてもご安心ください。
APIは企業にとって欠かせないツールであり、今後も活用してビジネスチャンスを広げていく有効な手段です。
この機会にAPIのセキュリティ対策に精通している弊社にぜひご相談ください。
SaaSは連携開発をすることで効果を発揮する
業務効率化を目的として、業務・部署別に複数のSaaSを導入する企業が増えています
しかし、それぞれのSaaS単体では、その効果を最大限に発揮することはできません。
SaaSは連携開発することで、よりその効果を発揮するのです。
SaaSに関する多くの悩み
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