SaaSサービスの代表例をご紹介|SaaSの仕組みや選ぶポイントも詳しく解説します
クラウドサービスのひとつであるSaaSは、現在多くの企業が注目するサービスです。
インターネットが普及した現代において、ビジネス環境は常に変化しています。
その中で、業務の効率化や他社サービスとの差別化は重要な課題であり、常に改善をしていかなくてはなりません。
そこで有効なのがSaaSですが、導入には仕組みや選ぶポイントなどを知らなければ、自社にあったベンダーのサービスを選ぶことはできないでしょう。
本記事ではSaaS導入例を踏まえて、仕組みや選ぶ際のポイントなど情報を解説します。本情報を参考に、自社に適したサービスを選んで、さらなる躍進に役立ててください。
目次
企業のクラウドサービス導入率は高い
自社にSaaS導入を検討する前に、企業のクラウドサービスの導入率についても把握しておきましょう。
企業におけるクラウドサービスの導入率は年々増加の傾向です。 総務省の情報通信白書によるとクラウドサービスを一部でも利用している企業の割合は、約6割にも及ぶ結果を示しています。
前年の導入率からの比較によると、6%も上昇している結果です。
現在、半数以上の企業がクラウドサービスを一部でも導入し業務を進めている状況で、効果があったと感じている状況になります。
クラウドサービスの種類
クラウドサービスの現状の導入状況については把握できましたが、次はクラウドサービスの種類を押さえていきましょう。
クラウドサービスは大きく分けて3種類に分けられます。どれも業務には役立ちますがカバーする領域が異なりますので、特徴を押さえましょう。
IaaS
クラウドサービスのひとつに、IaaSがあります。正式名称はInfrastructure as a Serviceです。
このサービスは、インターネット上に仮想サーバー・ハードディスク・ファイアウォールといったのインフラ部分を提供する仕組みになります。
クラウドサービスの中では最も開発の自由度が高いことが特徴で、料金は月額制度あるいは重量課金制度で提供されるケースが多いです。
しかし、プログラムを開発する際に必要な環境は最低限のものしかなく、開発には専門の知識が必要になってくることも特徴として覚えておかなければなりません。
PaaS
ふたつ目のクラウドサービスとして、PaaSがあります。正式名称はPlatform as a Serviceです。
このサービスは、ランタイムやデータベースなどを提供するサービスであり、インターネットを通じてシステム・アプリケーション・ソフトウェア開発などが可能となります。
料金は、月額制度または従量課金制度を採用しているケースが多いです。また、開発側がコードの記述に専念できる点が大きな特徴として挙げられます。
SaaS
SaaSの正式名称はSoftware as a Serviceです。
インターネット上でサービスを提供する仕組みであり、ソフトウェアやアプリケーションの機能をネットワーク経由で利用可能になる点が特徴になります。
オンデマンド型ソフトウェアやホスト型アプリとも呼称され、料金体系は月額制度あるいは年額制度を採用しているケースが多いです。
SaaSの仕組み
クラウドサービスそれぞれの特徴を押さえたところで、次はSaaSの仕組みを把握して、自社に適しているかどうかも検討しましょう。
SaaSにおいて、ユーザーはインターネット接続環境でWebブラウザなどを通してアクセスすることで利用できる環境となります。
従って、アクセスの際には端末などのサーバーやストレージといった部分を経由することがないので、構築と運用管理の手間が必要なくなるのです。
開発側の責任範囲はデータ部分、つまりレイヤーのみとなるので、アプリケーション内部のユーザー固有設定部分以外は全く操作することはできません。
SaaSサービスの代表例
SaaSの基本的な仕組みが把握できたところで、次はSaaSサービスの代表例を解説します。具体的なサービス例を知ることができれば、自社への導入もよりイメージしやすくなるでしょう。
Dropbox
Dropboxはクラウド上で、さまざまなファイルを保管できるストレージになります。
一般ユーザー向けの無料版から、機能を強化したDropbox Businessといった企業向けのものまで備えるクラウドサービスです。 スマートフォン・タブレット・PCなど端末を問わず使用でき、インターネットにアクセスできれば場所を問わず使用できます。
Notion
Notionは柔軟で拡張性が高く個人やチームが異なる場合でも目的に合わせて活用できるオールインワンの作業スペースです。
ノート、プロジェクト管理、データベース、タスクリスト、カレンダーなどのさまざまな用途に使えます。またインターフェースも直感的で、ドラッグ&ドロップで自分のワークフローに合わせてカスタマイズできますし、更にリアルタイムで他のユーザーと共同作業できるので、議事録や文書作成など捗ります。
WindowsやmacOS、iOS、android用のアプリケーションも用意されています。今まで別々のアプリケーションやツールで管理していた作業を一つのプラットフォーム上で完結できるので非常に効率的です。
Slack
コミュニケーションツールに関するクラウドサービスの代表例がSlackになります。
アカウント同士でチャンネルと呼ばれるワークスペースを作成・共有し、コミュニケーションを図れるツールです。
共有しているチャンネル上では、メッセージ以外にもツールやファイルを共有できるので円滑なコミュニケーションを可能としています。
基本的な機能のみであれば無料で使用できるフリープランがおすすめです。
しかし、組織やチーム規模の大きさに応じて対応機能を増やしたいのであれば、機能充実度によっていくつかの有料プランも用意されています。
kintone
サイボウズが提供するkintoneもクラウドサービスの一種です。
kintoneが提供するのはグループウェアとしての機能であり、スケジュール管理・プロジェクトの進行具合・タスクの管理といったデータを共有することができます。
スケジュールやプロジェクト管理は進行するとともにデータ量が増えていきます。共有するにもかなりの手間や時間がかかってしまうでしょう。
それを円滑化・効率化をしてくれるのがkintoneです。メッセージやり取りなどの機能も有しています。
freee
freee(フリー)は日本発のクラウド会計ソフトウェアで、主に中小企業向けに設計されています。
1.会計機能:freeeは基本的な会計機能から取引の記帳、仕訳帳の作成、月次・年次決算業務をサポートします。また、経費精算や資産管理も行えます。
2.給与計算:給与計算機能が組み込まれており、社員の給与明細や年末調整をオンラインで効率的に完結することができます。
3.請求発行と管理:簡単に請求書を発行することができ、請求書の支払い管理も追跡します。クライアントとの取引を簡単に管理することができます。
4.税務申告:税務申告の手続きを簡素化し、消費税や法人税の掲載、申告書の作成をサポートします。
5.予算管理:予実管理をすることができるので、経営戦略の立案や進捗確認時に可視化できます。
利用者はいつでもアクセスでき、手軽に使えるインターフェースと幅広い機能が特徴です。
Salesforce
Salesforce(セールスフォース)は、クラウドベースの顧客関係管理(CRM)の代表的なプラットフォームとして知られています。
1.CRM機能:Salesforceの中核機能はCRMで、顧客データの統合、管理、分析をします。これにより、営業・マーケ・カスタマーサービスのプロセスが強化されます。
2.セールスオートメーション:セールスプロセスの自動化をします。リード・取引の管理、見積もりや収益予測などセールス活動を効率的に進めることができます。
3.マーケティングオートメーション:キャンペーンの計画、実行からトラッキングしマーケティング効果を向上させます。リードを自動で生成し、ナーチャリングも行えます。
4.カスタマーサービス:顧客対応のプロセスを強化できます。チケットの追跡、顧客対応の効率化、顧客とのコミュニケーションを管理します。
5.分析とレポート:データを用いてしてビジネス活動を可視化します。カスタムダッシュボードやレポートを作成しておくことで、管理者は無駄なコミュニケーションを省くことができます。
ビジネスプロセスを統合し効率化できるため、包括的なプラットフォームとして多くの企業で利用されています。
Backlog
Backiog(バックログ)は、ソフトウェア開発に適したプロジェクト管理やタスク管理のためのクラウドベースのプラットフォームとして知られています。
1.プロジェクト管理:プロジェクト全体の管理をします。プロジェクト内でタスクの進捗やスケジュールも可視化し把握できるようになります。
2.課題管理:タスクやバグなどをトラッキングして担当者の指定や優先順位付け、ステータスの更新ができ、作業進捗の管理が捗ります。
3.ガントチャート:プロジェクトのタイムラインやスケジュールが一目瞭然となります。
4.wiki機能:プロジェクトに関するドキュメントを整理するために使え、メンバー間での情報共有が簡単に行えます。
5.コード管理:Gitリポジトリと連携してソースコードの管理ができます。コードの変更履歴やブランチの管理がサポートされています。
6.通知:メンションやコメントでコミュニケーションが円滑に行えます。通知も細かく設定できるのが便利です。
SaaS導入のメリット
SaaS導入を検討するのであれば、導入にあたって得られるメリットについても理解しておかなければなりません。
得られる効果を把握したうえで導入し、自社への効果を最大化しましょう。
メリットとしては次の項目が挙げられます。
- 低コストで導入が簡単
- 場所や端末を問わずアクセスできる
- 複数人での同時作業を行える
- 運用の負担が少ない
SaaSはベンダーが用意したシステムを導入するだけで、簡単に共有できる環境になるので非常に簡単です。
自社でサーバーを用意するなどの手間がかかりません。 さらに、その導入もコストが比較的低いことも特徴です。
クラウドサービスを導入するコストは従量課金制であるため、必要な分を調整して導入できます。
利用のための環境構築を自社で行わなくていいのでメンテナンス費用も発生せず、最小限のコストで利用できる点は大きなメリットです。
さらに、インターネット接続環境下であれば、場所と端末を問わずアクセスできる点もメリットになります。
ソフトウェアはアカウントごとに設定されているので、オフィス・自宅・外出先を問わずアクセス可能です。
そして、アカウント情報が同じであれば、端末が異なっても全く同じサービスを利用できます。
また、複数人での同時作業を可能とする点も大きなメリットです。複数人でファイルを共有できるので、別の誰かが編集している作業を常に保存し反映してくれます。
ファイルの管理と業務効率化に非常に有効です。
さらに、運用コスト面においては、ベンダーが常にアップグレードしセキュリティ運用においても責任を持って行ってくれているため自社の運用コストは最小限ですみます。
常に最新状態のソフトウェアを使用できるのです。
自社に最適なSaaSを選ぶことが大切
SaaSはコストを削減したうえで、自社内のファイルの共有など大きく効率化に貢献してくれます。
しかし、種類が豊富であるため、導入を考えるのであれば自社に最適なものを選ぶことが大切です。
例えば、自社でコミュニケーションに特化したクラウドサービスを必要とするなら、Slackのようなコミュニケーションをメインとしたツールを選ぶ必要があるでしょう。
またマーケティングをメインに強化を図りたいのであれば、Adobe Marketo Engageのような専門的な機能を備えたソフトウェアである必要があります。
自社の目的を明らかにして最適なSaaS選びを行いましょう。
SaaSを選ぶポイント
ここからは、SaaSを選ぶポイントを解説します。導入のメリットや具体例については把握できましたが、自社に最適かは別の話です。
注目すべきポイントを押さえて、自社に最適なものを選ぶようにしましょう。
価格
価格については注目すべきポイントです。導入時のコストだけでなく、導入後のコストにおいても注目しましょう。
クラウドサービスは、自社で開発・運用するよりも安い価格で導入・利用できます。
しかし、大企業の場合、グループ全社や社員全員分を導入するとなると、価格は大幅にかかります。
必要に見合う範囲で導入するなど、価格には注意して導入する必要があるでしょう。
また、クラウドは安いというイメージを持つ人が多い傾向ですが、導入後のことを考えればこのイメージには注意が必要です。
コスト削減に向けて導入しても、結果的には目的を達成できなかった場合、せっかくの導入コストが見合わない問題が生じます。
そうならないためにも導入時と導入後のコストに注目して選びましょう。
機能
機能も選ぶ際のポイントです。自社において、どんな機能を求めるのかをしっかりと吟味しましょう。
コミュニケーションをメインにファイル共有などの機能をサブ機能としてほしいのか、ファイルや編集を同時に行う機能がメインで欲しいのかによって、会社にあったクラウドサービスは異なります。 目的はマーケティングの機能であるにもかかわらず、コミュニケーションツールを導入しても全く意味がありません。
せっかくの導入コストも無駄になってしまいます。そうならないためにも機能面も重視して選びましょう。
サポート体制
サポート体制が整っているかについても注目して選ぶ必要があります。
提供されるクラウドサービスがいかに充実した機能であっても、それを使うのは企業側です。
そのため、運用中に何かわからないことがあればすぐにサポートしてもらえる体制が整っているかどうかも大切なポイントになります。
連絡がつながりづらい・問い合わせてもすぐの対応をしてもらえないなど、サポート体制が整っていないようであれば万が一の際に不安が残るので、注意しましょう。
セキュリティ体制
セキュリティ体制についても選ぶ際のポイントです。
ベンダー側がセキュリティには力を入れて責任をもって管理してくれているとはいえ、クラウド上にデータを預ける以上情報管理は非常に重要です。
操作を誤り情報流出を起こす可能性も考えられますし、ハッキングなど外部からの悪意ある操作によって情報漏洩を起こす可能性も考えられます。
そういった際の対策やバックアップ体制についても選ぶ際の検討材料にしましょう。
ベンダー企業の将来性
ベンダーの将来性も注目すべきポイントになります。
ベンダーが倒産や事業からの撤退を行えば、当然ベンダーが提供するソフトウェアも利用を続けることはできません。
自社に最適なソフトウェアが見つかったとはいえ、ベンダーの将来性が無ければいつサポートが終了するかわからないので、導入すべきかどうかは判断の迷うところになるでしょう。
クラウドサービスの業界は、新興企業も多く大手だからといっても安心できない状態です。
そのため、将来を予測することは簡単ではありませんが、これから利用することとなるベンダーの将来性はチェックしておきましょう。
SaaSの導入にはコンサルティング会社の利用も有効
SaaS導入は、業務の効率化などこれからの企業の環境をより良くしてくれる見込みがあります。
しかし、多くのクラウドサービスの中から自社に最適なものを見つけることは非常に大変です。
自社の課題を洗い出しサービスを比較する中で、どれが自社にふさわしいか疑問や悩むこともあるでしょう。
その際にはコンサルティング会社を利用して導入を進めることもおすすめです。
まだ表面化していない潜在的な課題を洗い出すことにも役立ってくれ、最適なサービスを選定することにも役立ってくれるでしょう。
自社に最適なSaaSを導入したいなら
これからSaaS導入を検討し、コンサルティング会社を利用して検討を進めたいと考えているのであれば、弊社をご利用ください。
弊社では、SaaSのメリットを最大限活用し、企業課題解決の支援を行っています。
導入から課題解決まで企業と一丸となり取り組んでいくので、ぜひ一度ご相談ください。
専門の担当者が、丁寧なヒアリングを行ったうえで、最適なサービスと課題の早期解決に向けて提案を行います。
https://www.strategit.jp/contact/
SaaSを導入して企業の課題を解決しよう
クラウドサービスであるSaaSは、今後の企業の効率化や業務の環境を整えるうえで非常に役立つサービスです。
自社に課題に最適なサービスを導入できれば、業績アップにもつながる可能性もあります。
しかし、導入するのであれば、課題や目的に合わせた最適なサービスを選ばなければなりません。
そのため、疑問が生じたりサービスについての悩みを抱えることもあるでしょう。 その際は、弊社にご相談ください。共に課題解決に向けて取り組んでいきます。
SaaSは連携開発をすることで効果を発揮する
業務効率化を目的として、業務・部署別に複数のSaaSを導入する企業が増えています。
しかし、それぞれのSaaS単体では、その効果を最大限に発揮することはできません。 SaaSは連携開発することで、よりその効果を発揮するのです。
SaaSに関する多くの悩み
SaaSは手軽に導入でき、業務効率化や働き方改革などへの効果が期待できます。
しかし一方で、SaaS導入によって業務間の連携・部署間の連携・データの統合・マスタのチェック等が滞り、かえって業務量が増えてしまうという課題も発生しています。
- SaaSを導入したいけれど、「どの課題」に「どのツール」が最適かわからない
- SaaSを導入したものの、複数利用の影響で連携や効果的な運用ができていない
- SaaSを導入したものの、かえって業務量が増えてしまっている
このような悩みをお持ちの方は弊社にお任せください。
SaaS導入にお困りの方へ
SaaSの効果を最大化するためには、既存の業務プロセスの見直しや、最適な業務のあり方の再構築が必要です。
しかし、「課題をどのように見直すべきか」「何が解決すべき課題か」を明確にすること自体、困難に感じる企業も少なくありません。
そのような企業課題を解決するために、弊社はSaaSのメリットを最大限活用した導入支援を行っています。
SaaS連携開発やAPI開発支援でお困りの方へ
多くの企業で、1社あたり10程度のSaaSを利用しているといわれています。
それだけSaaSは多くの企業に必要とされていることがわかります。 しかし、複数のSaaSを利用することで情報の分断や多重入力といった問題が起こるリスクがあります。
業務の効率化を求めて導入したはずなのに、複数のSaaS利用によって新規導入や効果的な運用の足かせとなることがあるのです。
ストラテジットは"SaaSのチカラを全ての企業に"をMissionに掲げ、創業以来 国内外50以上のSaaSとの連携開発を行ってきました。
SaaSベンダーの利便性はもちろんのこと、そのSaaSを利用するエンドユーザーこそが使いやすい製品を提供することで、SaaSベンダー・ユーザーともにコア業務に集中できる環境のお手伝いをしたいと考えています。
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