Embedded iPaaS(組み込み型iPaaS)とは?普通のiPaaSとの違い
IT業界ではiPaaSという言葉が少しずつ浸透しています。
今回は、SaaSなどの異なるシステム同士を連携するiPaaSとあわせて知っておきたいEmbedded iPaaS(組み込み型iPaaS)について説明します。
そもそもiPaaSについてよくわからない、という方向けにiPaaSの説明も交えながら、Embedded iPaaSのもたらす多大な効果について解説していきます。
(Embedded iPaaSはSaaS以外にオンプレや基幹システムと接続する場合もありますが、本コラムではSaaS間の連携に絞り解説します)
目次
iPaaSとは
まずはiPaaSとは何か、簡単に説明します。
▼iPaaSの詳細や具体例はこちらのコラムをご参照ください。
iPaaSの定義
iPaaS(Integration Platform as a Service:アイパース)とは、直訳で「サービスとしての統合プラットフォーム」で、オンプレミス、またはSaaSサービスの複数システムでばらばらで管理している情報を連携・管理できるサービス、または形態のことを指します。
iPaaSにもさまざまな種類・ジャンルのiPaaSが存在していますが、すべてのiPaaSに共通しているのは、複数システムの統合により価値を提供しているという点です。
iPaaSを利用するメリット
iPaaSは、異なるクラウドベースのアプリケーションやオンプレミスのシステムを統合することで、ビジネスプロセスの自動化と効率化を可能にします。
現在、日本国内でも優れたSaaSが多々存在しており、1企業で10個以上のSaaSを利用していることは珍しくありません。
日本の数年先を行くといわれるアメリカでは、なんと1企業で100個以上のSaaSを利用しているというデータもあり、SaaS市場の規模の大きさを感じさせます。
いかに優れたSaaSであったとしても他のSaaS(もしくはオンプレシステム)との連携ができていなければ、SaaSの数だけ独立した別のデータを持っていることになり、全体把握のためにSaaSを横断するだけでも非常に手間と時間がかかります。
スピード感のある経営判断が求められる今日、会社全体でどのような状況になっているのかリアルタイムで把握できないことが、多くの企業で経営戦略のボトルネックとなっている実情があります。
iPaaSはSaaS間やSaaS・オンプレ間のデータを自動連携することで、情報を一元管理し、企業がコア業務に集中できる環境を提供します。
Embedded iPaaS(組み込み型iPaaS)とは
Embedded iPaaSの定義
Embedded iPaaSは組み込み型の名の通り、SaaSやその他のソフトウェア製品に組み込まれる形で提供されます。
通常のiPaaSは、ユーザーが複数のSaaSを一元的に統合と管理するための独立したプラットフォームを提供します。これに対して、Embedded iPaaSはSaaSに直接組み込まれ、それ自体が他のSaaSと直接統合できるようになります。
SaaSベンダーは自社のリソース不足に悩まされることなく、他SaaSとの連携という価値をユーザーに提供できるのです。
Embedded iPaaSのメリットを享受できるのはSaaSベンダーだけではありません。
ユーザーはSaaSを切り替える手間なく、まるで一つのSaaSを使っているかのような自然さで複数SaaSを利用できます。
Embedded iPaaS市場が普及した背景
執筆時点においても、現在、一社もしくは一個人あたりのSaaSの利用数は増加し続けています。
登場した当時は「あれば便利だけど、なくてもどうにかなる」だったSaaSは、人事・会計・販売管理・コミュニケーションツールなどあらゆる業務で普及し、もはや必需品といえる企業がほとんどではないでしょうか。
企業が導入しているSaaSが増えSaaS間を連携できないかと考えた際に、直接 リソースや資金をかけてSaaS連携の開発を行う選択肢もありますが、余裕のある企業はそう多くはありません。
(しかもAPI連携が行えるのはOpen APIが提供されているSaaSに限られます)
一元管理を目的とするのであればSAPなどの統合型ERPに切り替える選択肢もありますが、複数のSaaSを利用するよりも費用が大きく、法改正や社内体制の変更によりアップデートの手間がかかることから、あくまで中~大規模の企業でなければ費用対効果が得られないデメリットがあります。
そこで、近年は
- 業務に応じて複数のSaaSを組み合わせて導入する「コンポーネント型ERP」
- コンポーネント型ERPより拡張性のある「コンポーザブルERP」
といった考え方・ビジョンを持ったサービスが生まれてきました。
但しいずれもユーザーがリソースを負担することに変わりなく、いつまでたってもユーザーが楽にならない状態が続いています。
SaaS連携の重要性をよく理解されているSaaSベンダーもいますが、連携機能はSaaSベンダーのコア機能ではないため優先度は低く、なかなか力を入れられないのが実情です。
自社SaaSの知識があり、連携機能の拡充がユーザーの満足度向上とチャーン(解約)防止になるとわかっていても、連携開発には他社SaaSの仕様やAPIの知識があるかという壁が存在します。
SaaSベンダーのリソースも限られるなか、前述の通り1企業当たりのSaaS利用数が増加している状況を踏まえると、Embedded iPaaSの登場は必然の潮流だといえます。
iPaaSとEmbedded iPaaSの最も大きな違い
一般的なiPaaSはエンドユーザーが使用します。
Embedded iPaaSはSaaSベンダー(SaaS提供者)が導入し、SaaSそのものに連携機能を組み込みます。よって連携機能を有したSaaSごとユーザーに提供されます。
※エンドユーザー…SaaSを利用する一般企業もしくはユーザー
再掲になりますが、
SaaSベンダーは自社のリソース不足に悩まされることなく、他SaaSとの連携という価値をユーザーに提供できるのです。
ユーザーはSaaSを切り替える手間なく、まるで一つのSaaSを使っているかのような自然さで複数SaaSを利用できます。
Embedded iPaaSの選び方
SaaS・iPaaSは先進国であるアメリカなどの海外製が多く、ましてやEmbedded iPaaSのジャンルはまだまだ日本は後進国です。海外製品は使い勝手や機能も充実していますが、日本語のサポートはほとんど存在しません。
iPaaSは導入したあとが本番であり、自社の製品やユーザー企業の属性に合わせてどのように構築・設定するかで使い勝手が決まります。日本企業がEmbedded iPaaS導入を検討する場合は、保守・サポートの面においてやはり国内のiPaaSをまずは検討すべきです。
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国内にはまだまだ優れたSaaSが多く存在します。
ストラテジットは"SaaSのチカラを全ての企業に"をMissionに掲げ、創業以来 国内外50以上のSaaSとの連携開発を行ってきました。
SaaSベンダーの利便性はもちろんのこと、そのSaaSを利用するエンドユーザーこそが使いやすい製品を提供することで、SaaSベンダー・ユーザーともにコア業務に集中できる環境のお手伝いをしたいと考えています。
まずは話だけでも聞いてみたい、自社SaaSの満足度を上げたい、という方はストラテジットが提供するEmbedded iPaaS「JOINT iPaaS for SaaS」を是非ご検討ください。
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