SDK(ソフトウェア開発キット)とは?SDKの目的とメリット|SaaS連携の専門家が分かりやすく解説

「SaaS」導入から活用する段階に入ると、非エンジニアの方でも耳にするようになる「SDK」。
結局何なのか分からない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

SDK(Software Development Kit)とは、特定のシステムに順応したソフトウェアを作成するために必要な文書・プログラムなどをまとめてパッケージ化したものを指します。

本コラムでは、SDKの概要と目的に加え、SDKに含まれるものや、API・IDEとの違い、また実際の活用事例についてわかりやすく説明します。

SDKとは

 

SDKとは?

SDK(Software Development Kit)とは、特定のシステムに順応したソフトウェアを作成するために必要な文書・プログラムなどをまとめてパッケージ化したものです。
日本語ではソフトウェア開発キットと訳されます。

一般的にSDKにはAPIやサンプルコードといった開発作業に必要なツール一式が含まれており、SDKを活用することで開発を効率的に進めることができます。

SDKの目的

SDKは提供側と開発側の双方にメリットがあります。

SDKの目的と併せてみていきましょう。SDKの目的

開発側

開発側とはSDKを利用する開発者を指します。

SDKには必要なツール一式がすでに含まれているため、SDKを使用して開発することにより、システム開発の時間短縮やコストダウンが可能になります。

パッケージ化されている機能も豊富にあるため、一度SDKを導入することで複数の機能が利用可能になるシンプルさも見逃せません。
そのうえSDKで提供されているプログラムは、既存のソフトウェアへ追加できるため、機能の追加や品質保持にも数多く使われています。

また、後述するMicrosoft Windows SDKなど、開発したいサービスによってはSDKが必須になることもあります。

 

現在、多くの企業でアプリケーションソフトウェアや、WEBサービスの開発が行われています。

SDKが普及する以前は、WEBサイトやアプリケーションソフトを作成するためには、何もないところからソースコードを書き、組み立てていく必要がありました。

ですが、高度なプログラム知識が必要なうえに、完成度の高いものを作るためには、膨大な時間をかけなければならなかったのです。

さらに一からコードを記入するとデータ容量が増えて重くなり、ユーザビリティが低下する可能性もあります。

このため多くの開発会社では、白紙の状態からではなく、必要な部品や要素をまとめたSDKを使用してアプリケーションを作成しています。

ただし、SDKの中には有料で提供されているものもあるほか、バグやアップデートへの対応が必要になるため、場合によっては一から制作するよりもコストが掛かるおそれがありますので注意が必要です。

提供側

提供側とはSDKの発信元を指します。

SDKは主に、プログラミング言語やOSなどの製作者から提供されています。

SaaSの場合、SaaS事業者側ということになります。

彼らはソフトウェア開発をしやすくすることで、自分たちの開発した環境を使ってもらい、ブランド力やシェアを高めたいと考えているのです。

 

このように開発側と提供側の双方にメリットのあるSDKですが、バグが含まれていることがあったり、導入によってかえって使いにくくなってしまったりというデメリットもあります。

また、他の部分に干渉してエラーが発生する危険性があることも忘れてはなりません。

SDKを利用する際には、開発者は多々あるサービスの中から吟味して、必要なものを正しく選択する必要があるのです。

SDKの長所・短所やAPIとの違いについてはこちらのコラムをご覧ください。

SDKに含まれるもの

SDKの中には、一般的にAPIやサンプルコード・開発ドキュメントが含まれています。

何が含まれるかは提供側によってさまざまですが、基本的なテストプログラムや統合開発環境を搭載したサービスもあります。

エンジニア以外の方のために簡単に解説します。

SDKに含まれるもの例

 

解説文書

SDK全体のマニュアルを含んだドキュメントです。

どのような情報・機能を提供するか説明されています。

ライセンスもこちらに記載されていることが多々ありますので、実際に利用する前に、まずはこちらのドキュメントに目を通して理解しておく必要があります。

APIドキュメント(APIリファレンス)

APIの仕様をまとめた文書ファイルです。

一般的に以下の項目が表記されています。

【API全体】

概要、認証方法、フォーマット形式、API使用制限

【個々のAPI】

API名、機能概要、メソッド、APIエンドポイント(アクセスURI)、リクエスト(パラメータ、必須or任意)、レスポンス(処理結果ステータス(ステータスコード&メッセージ内容))

サンプルコード

SDKをインストールしてすぐ動かすことのできるサンプルコードです。

サンプルコードを実際に動かしてみて、どのような挙動になるか確認することがSDKに含まれるプログラムの理解に繋がります。

デバッガ

デバッグ(バグを発見・修正すること)をサポートするツールです。

プログラムを停止させログを確認したりなど、デバッグがあると効率的に開発を進めることができます。

統合開発環境(IDE)

ソフトウェア開発で必要なツールをGUIで使えるようにしたパッケージです。

反対に、統合開発環境のプラグインとしてSDKが提供されていることもあります。

SDKとIDEの違いは次の項で詳しく説明します。

ライブラリ

関数などのモジュールを再利用できるようまとめたものです。

エミュレーター

仮想環境を構築するツールです。

スマートフォンアプリ開発用のSDKなどに含まれることがあり、例えばパソコンからスマートフォンの環境での見え方や動作の確認を行うことができます。

 

上記の部品をうまく利用して、より実用的なアプリケーションを作れるというわけです。

SDKとIDEの違い

SDKとIDEはどちらもソフトウェア開発を便利にしてくれるツールではありますが、異なるものです。

SDKはあくまで特定のシステムを開発するために必要なツールを集めたものであり、開発環境を提供するのが目的ではありません

SDKの中にIDEが含まれることもありますが、開発者であれば常にほぼIDEを使用して開発を行いますのであらかじめIDEは別途 用意されていることが前提です。

 

例えば、メモなどのテキストエディタでもソースコードの記述は可能ですが、それ以上のコンパイルや動作確認といったことはできません。

そのため、一般的にプログラミングを行う場合はVirtual Studio CodeやEclipse、IntelliJ IDEAなどのIDEを使用します。

これらはただソースコードを記述するためのソースエディタのみならず、よく使われるコードを自動生成してくれるコード・スニペット機能や構文エラーのチェックに加え、デバッガやコンパイラも備えており、今や開発を効率的に進めるためには必要不可欠なツールとなっています。

プラグインと呼ばれる機能拡張を任意で追加することもでき、ニーズに合わせたカスタマイズが可能です。

IDEは複数提供されており、使い勝手や対応している開発言語(C#、Java、PHP、JavaScript、Ruby、Python etc.)によって選択します。

SDKの具体例

今やさまざまなSDKが提供されています。

具体例をみてみましょう。

Microsoft Windows SDK

WindowsOSで動作するアプリケーションソフトウェアを開発するためのSDKです。

Windowsアプリ、いわゆるネイティブアプリの開発を行う際は必須といえます。

  • ネイティブアプリ:Apple StoreやGoogle Play経由でインストールし、PCやスマートフォンのホーム画面に表示されるアプリ
  • Webアプリ:Webブラウザ上で動作するアプリ

Microsoft Windows SDKに対して、デバイスドライバー開発に必要なツールをまとめたWDK(Windows Driver Kit)も同社より提供されていますが、SDKとは異なります。

ドライバ開発を行う場合は、SDKとWDKどちらも必要となりますので注意が必要です。

iOS SDK

Apple社より提供されている、iOSで動作するアプリケーションソフトウェアを開発するためのSDKです。

MacやiPhone向けアプリの統合開発環境であるXcodeに同梱されています。

FBX Software Developer Kit(FBX SDK)

3DCGソフトウェアとして有名なMayaの販売元であるAutodesk社が提供するSDKです。

FBX(3Dファイルの形式)のファイルを読み込み・描画を行う環境が提供されています。

Unreal Development Kit(UDK)

PCゲーム開発企業のEpic Games社が提供するSDKです。

3D制作ツールとして有名なUnreak Engine 3のフリー版であり、ゲームの開発環境を提供しています。

SDKの使い方

SDKに含まれる部品と同様 SDKによりさまざまですが、以下の手順で使える状態になります。

  1. SDKの提供元からインストーラーをダウンロードする
  2. インストーラーを実行する
  3. インストール完了後、開発を行う

中には、SDK内部に含まれるAPIを有効にすると利用できるものもあります。

注意点として、APIと異なりSDKにはビルドが必要となります。

 

以上、SDKに関して解説してまいりました。

SDKを提供されていないサービス事業者は少なくありませんが、SDKが提供されていないか?一度 調べてみてはいかがでしょうか。

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