BPaaS(Business Process as a Service)とは?中小企業を中心に活用が広まっている理由を解説

日本社会は、近年ますます深刻化する人材不足という問題に直面しています。

少子高齢化の進行に伴い、働き手の数が減少する一方で、企業は競争力を維持しつつ生産性を向上させるという課題に取り組まなければなりません。また、働き方改革やリモートワークの普及により、従来のビジネスプロセスを見直す必要性も高まっています。

こうした状況下で最近注目されているのが、「BPaaS(ビーパース)」です。

BPaaSは、企業が内部で行う業務(経理、人事、顧客関係管理など)を外部に委託し、そのプロセスをクラウド経由で提供するサービスを指します。
企業が業務効率を大幅に向上させると同時に、人材不足の問題にも対応できる新たなソリューションとなっています。

特にIT人材を確保しにくい中小企業でも導入しやすく、また、IT人材に限らず経理や労務の専門人材も足りていない地方の企業でも、BPaaSを導入することでDX化の推進が可能になります。

本コラムでは、BPaaSがどのように企業の生産性向上と人材不足の解消に貢献するのか、解説していきます。

BPaaSとは

BPaaSとは

BPaaSとは、「Business Process as a Service」の略で、特定のビジネスプロセス、つまり、企業が内部で行う業務(経理、人事、顧客関係管理など)を外部に委託し、そのプロセスをクラウド経由で提供するサービスです。

BPaaSは、SaaSとBPOを掛け合わせた事業形態であり、サブスクリプション方式で提供されるサービスのことを指します。

BPaaSとは

そもそもSaaSとは何か(BPaaSと何が違うのか)

SaaS(サース/サーズ)とは「Software as a Service」の略で、クラウド経由でソフトウェアを提供するサービスまたは形態のことを指します。
利用者は、インストールやメンテナンスを必要とせず、ウェブブラウザを通じてソフトウェアを使用します。
今までシステム導入にかかっていた高額な初期費用が抑えられ、インターネットさえ繋がれば場所を問わずに利用できます。

BPaaSもクラウド経由でサービスを利用する点はSaaSと共通ですが、BPaaSは一部の業務プロセスを外部に委託する点がSaaSとは異なります。

SaaSについてもっと詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。

SaaSとは?SaaSが広がった背景やSaaS間の連携が必要な理由を解説

BPO(Business Process Outsourcing)とは

BPOとは、「Business Process Outsourcing」の略で、企業が自社の業務プロセスの一部または全部を外部の専門業者に委託するサービスです。バックオフィス業務や自社にノウハウのない業務などを外部の専門とする企業に委託することでコスト削減や業務品質の向上が期待できます。

BPaaSも外部に委託しますが、クラウドベースで業務プロセスを提供するサービスなので、企業が業務プロセスを外部業者に委託する、つまり人の手で業務を代行してもらう点が、BPOとは異なります。
人手に頼るため単価が高いBPOに対して、BPaaSは安価で利用できる点も異なります。

(補足)BPOとアウトソーシングの違い

BPOは、自社の業務プロセスの一部または全部を外部の専門業者に委託する為、プロセスの見直しや業務の効率化・分析を策定するパートナーとして委託期間が長期になります。

アウトソーシングも外部委託ですが、完成されたプロセスを外部に委託します。人手不足を解消することが目的にしているケースが多いです。

BPaaSがなぜ注目されているのか

BPaaSが注目される理由は、その便利さとコスト効果です。
クラウド上で業務プロセスが提供される為、企業は高価な設備やソフトウェアを購入する必要がなくなり、必要な業務をすぐに利用できます。

また、BPaaSは柔軟性が高く、会社の規模やニーズに合わせてサービスを調整できます。
特に中小企業にとって、効率的に業務を進める手助けとなります。

さらに、クラウドベースのため、最新の技術やセキュリティ対策が常に更新されているため、安全性が高いのもメリットの一つです。

BPaaSの導入で、企業はコストを削減しながら、より効率的で迅速な業務運営が可能となり、その結果、大企業のみならず中小企業も含め多くの企業がBPaaSに注目しています。

メリット

  • コスト削減:高価な設備やソフトウェアの購入が不要の為、コストを抑えられる
  • 柔軟性:会社の規模やニーズに合わせてサービスを調整することが可能
  • 最新技術の利用:常に最新の技術やセキュリティ対策が適用される

デメリット

  • データセキュリティの懸念:クラウド上でのデータ管理に対する不安
  • 依存リスク:サービス提供者への依存が高まる
  • カスタマイズの制限:標準化されたサービスのため、特定のニーズに完全に対応できない場合がある
  • コストの変動:利用量に応じた料金体系で、予想以上のコストが発生する可能性がある

BPaaSを提供している企業の紹介

株式会社kubell

kubell

画像出典元:(株)Kubell HP「Chatwork アシスタント

ビジネスチャット「Chatwork」を展開している株式会社kubell(旧Chatwork株式会社)が提供するBPaaSを活用したオンラインアシスタントサービス「Chatwork アシスタント」があります。

必要なタイミングで必要な分だけ業務の依頼が可能で、依頼できる業務の範囲が広いのが特徴的です。要望に応じてシステムの導入支援や業務プロセス改善などのサポートにも対応している為、労働生産性の向上や自社のDX化を実現できるようになります。

トランスコスモス株式会社

トランス・コスモス

画像出典元:トランスコスモス(株)HP

トランスコスモス株式会社の「業務スマートソーシングサービス」は、IT×業務BPO によるBPaaSモデルでのサービス提供しています。

バックオフィス業務のシステム導入から、ロールアウト・運用定着までの一連の業務プロセスや課題を解決するサービスです。

株式会社マネーフォワード×株式会社キャスター

2025年春までにマネーフォワードは、資本業務提携契約の締結が決議されたキャスターと会計や労務分野でBPaaSモデルのサービスを展開する予定です。

多様なスキルを持つ人材を集められる採用力が強みであるキャスターが提供する各種BPOサービスと、マネーフォワードが展開するDXを支援し続けているSaaS型サービスプラットフォーム「マネーフォワード クラウド」の強みを掛け合わせたサービスのとのことですが、どんなサービスが展開されるのか、今から楽しみですね。

株式会社キャスター:「マネーフォワードとキャスターの連携で実現されるBPaaSの可能性

 

今回はBPaaSについて解説しました。

クラウド経由でSaaSを活用しなが業務プロセスの改善を目指すことが可能なサービスであることは理解いただけたのではないでしょうか。

データのセキュリティ対策や委託先に依存しすぎないように対策を講じつつ、人手不足の問題を解消し、より業務の生産性の向上を目指していきましょう。

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多くの企業で、1社あたり10程度のSaaSを利用しているといわれています。
それだけSaaSは多くの企業に必要とされていることがわかります。 しかし、複数のSaaSを利用することで情報の分断や多重入力といった問題が起こるリスクがあります。
業務の効率化を求めて導入したはずなのに、複数のSaaS利用によって新規導入や効果的な運用の足かせとなることがあるのです。

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