連携アプリとは?SaaSとSaaSを連携するだけではない連携アプリの役割|連携開発のプロが解説

連携アプリは、SaaSとSaaSを連携し、SaaS間でデータを中継する役割を持つアプリケーションを指します。

しかし単にSaaSとSaaSを連携するだけではなく、さまざまな役割を持っています。

連携アプリを活用することで、SaaSを単体で利用する場合よりも そのSaaSが持つ本来の価値を教授できる可能性が高くなるため、ぜひ活用してみてください。

連携アプリとは

連携アプリとは

連携アプリとは、異なるアプリケーション間を連携し利便性を向上させるアプリのことで、
SaaS界隈では主にSaaSとSaaSを連携し、SaaS間でデータを中継する役割を持つアプリケーションのことを指します。

連携する目的は連携アプリによって様々ですが、1つのSaaS単体のコア機能以外の部分を担う重要な立ち位置にあります。

※コア機能:そのSaaS本来の目的・役割を果たすメイン機能。会計SaaSであれば、経理業務を行うのに不可分ない機能。
 ⇔ノンコア機能:外部連携など、コア機能以外すべて。

連携アプリの役割

連携アプリというと、データの橋渡しを行うイメージが強いかもしれません。

しかし連携アプリとひと口に言っても、実はデータの橋渡しだけでなく役割が多岐にわたります。具体的には以下のような役割を果たすことが可能です。

連携アプリの主な目的

データの変換・整形

連携アプリは、異なる形式やプロトコルで提供されるデータを受け取り、必要に応じて別の形式やプロトコルに変換することが可能です。

例えば、あるアプリケーションがJSON形式でデータを提供し、別のアプリケーションがXML形式でデータを必要とする場合、その変換を行う役割を果たします。

 

項目単位でも同様で、同じ目的を持つSaaS―例えば従業員情報を管理するためのSaaS―であったとしても、項目の持ち方はそれぞれです。
仮に以下のような項目の違いがあったとします。

  • プロダクトA:1項目 氏名「連携 太郎」
  • プロダクトB:2項目 姓「連携」、名「太郎」

A→Bに従業員情報を連携させる場合、AB間の連携アプリが上記の変換を行う必要があります。

変換と同時に「Aのどの項目がBのどの項目と紐づいているか」を設定する、いわゆるマッピング機能も連携アプリが担います。

データの集約

複数のデータソースから情報を収集し、一元化したデータを他のアプリケーションに提供するといったことも可能です。

例えば、複数のSaaSアプリケーションから得られる顧客情報を集めて、CRMシステムに統合するなどのケースが挙げられます。

APIの管理

異なるAPIを利用するアプリケーション間での認証、認可、アクセス制御を管理し、セキュアな通信を確保するといった役割も、連携アプリで担うことがあります。

それぞれのSaaSアプリケーションの違いを集約して、データの橋渡しができる状態にするということも用途の1つです。

データの仲介

複数のアプリケーションやサービス間でのデータ連携を促進するための仲介役を果たします。

あるアプリケーションから別のアプリケーションにデータを送信する際、連携アプリを介してデータをルーティングしたり、トリガーを設定したりすることもあります。

ビジネスプロセスの自動化

連携アプリは、異なるシステム間でのビジネスプロセスを自動化するために利用されることもあります。

例えば、特定の条件が満たされた際に特定のアクションを起動する(トリガー)などの自動化処理を行うようなことも可能です。

連携アプリのメリット

SaaSベンダーから見た連携アプリ最大のメリットは、やはり自社の製品に影響を及ぼすことなく他製品とのコミュニケーションが可能になる点でしょう。

ただし、連携アプリを開発するためには

  • 接続情報
  • 認証
  • 項目の紐づけ(マッピング)
  • 連携先APIの仕様 ※リクエスト制限など
  • エラーハンドリング
  • (ファイル連携の時)拡張子、上限サイズ
  • フィルタリング機能 ※特定のドメインのみ連携対象とするなど

といった考慮すべきポイントがあります。
SaaSのコア機能の開発で必要とされる知識とは性質が異なるため、自社の製品の1機能として実装するには荷が重かったり、なかなかリソースが割けずに実現できなかったりという課題をよく耳にします。

連携アプリとして外部に機能を出してしまうということは有効な手段のひとつです。
外部に出すことで、連携開発を専門としている外部企業に委託することも可能になりますので、自社のリソースを使うことなく連携実装などが実現できるというわけです。

このように外部企業に委託することは、自社のリソースが不要になるだけでなく、その後の管理面にも大きなメリットを生み出します。
具体的には、データ連携先のSaaS製品にアップデートや仕様変更があった際、自社製品の機能として開発してしまっていると、自社で対応せざるを得ません。
しかし外部企業に保守サポートまで委託することができれば、そのような連携先の仕様に振り回されることもなくなるのです。

また、連携アプリを積極的に実装・展開することで、自社の製品だけでは解決できなかった課題や、他SaaSも併せて利用することによって起きていた問題なども解決できるようになるため、ユーザの満足度の向上にも繋がります。

連携アプリの一例

ストラテジットでは、SaaS間連携のプロとして、連携アプリを多々開発してきました。
今回はその中からいくつかアプリの一例をご紹介したいと思います。

SmartHR to HRBrain

SmartHR to HRBrain

SmartHR to HRBrainは、SmartHRに登録している従業員情報(顔写真、部署、就業場所、役職、雇用形態、在籍情報に始まる様々な情報)をHRBrainに連携する事ができるアプリです。

通常このようなSaaS製品には「カスタム項目」と呼ばれるユーザ独自で設定できるオリジナル項目を持てる機能がついており、その場合、単純にデータを受け渡すだけでなく、双方の項目をマッピングするような連携手法が必要となります。
この連携アプリでは、双方の項目をユーザが画面上でマッピング・変換する機能がついておりますので、問題なく連携が可能となります。

<このような方にオススメ>

  • 毎月従業員情報の登録や更新作業(CSV連携、手作業等)が発生している方
  • CSV連携するためのデータ形成作業をExcelのマクロ機能などを用いてされている方
  • 従業員情報のマスタはSmartHRとして管理したい方

コラボフロー for ClimberCloud

コラボフロー for ClimberCloud

コラボフロー for ClimberCloud は、コラボフローで申請・承認された申請書に添付された請求書等のPDFファイルをClimberCloudへ自動登録できるアプリです。
登録されたファイルにはタイムスタンプを付与することで、電子帳簿保存法にも対応しています。
検索用の項目を持たせたCSVファイルも同時に受け渡すことでClimberCloud上でも容易に検索ができるため、法要件もしっかりと満たします。

<このような方にオススメ>

  • コラボフローで申請・承認を行っている方
  • ClimberCloudへの登録作業を削減したい方
  • 電子帳簿保存法への対応がお済みでない方

HRBrain from CSV

HRBrain from CSV

HRBrain from CSVは、任意のサーバーに格納されたCSV形式の各種データ(従業員、部署、職種、就業場所、役職、雇用形態、在籍情報に始まる様々な情報)をHRBrainに連携する事ができるアプリです。
一度連携設定したCSVデータは、再設定の必要がなく自動でHRBrainに登録/更新されるため、作業コストを削減することができます。

<このような方にオススメ>

  • 毎月従業員情報の登録や更新作業が発生している方
  • 従業員情報のマスタは従業員管理システムで管理したい方
  • API連携未対応の従業員管理システムを利用している方

まとめ

今回は、連携アプリの役割やそれによるメリットについて解説しました。
連携アプリは、単純にデータの橋渡しをするだけでなく、データの変換や整形・集約など様々な役割を果たすものということをご理解いただけたでしょうか。

複数のSaaSを上手に連携させて活用することで、それぞれのSaaSが持つ価値を最大化していきましょう。

 

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この記事を書いた人

株式会社ストラテジット