ユーザのニーズを拾い上げる公式アプリとは|SaaS公式アプリストアを展開するベンダー例を紹介

SaaS公式アプリとはSaaSベンダーが提供するアプリのことで、製品の主要機能とは切り離した形で、他SaaSとの連携やアドオン機能等が使えるようになるアプリのことを指します。

1社あたりのSaaSの利用数増加に伴い、SaaS公式アプリを提供するプラットフォームも普及してきました。

本コラムではそんなSaaS公式アプリについて、なぜ必要なのか?を実際のアプリストアの紹介とともに、SaaS連携開発のプロの目線から説明します。

ユーザのニーズを拾い上げる公式アプリとは

SaaS公式アプリとは何か

SaaSが普及した昨今、皆さんの会社の中でも様々なSaaSを利用する機会が増え、「こんなことができたら良いのに」と感じることも多々あるかと思います。

SaaS公式アプリ(以後、公式アプリ)とは、そのSaaS製品の主要機能ではないものの、他のSaaSソリューションとの連携ができたり、ちょっとしたアドオン機能が使えるようになったりするアプリのことを指します。

一般的にはSaaSベンダーが自社のSaaS製品専用のアプリストアを用意し、エンドユーザが使いたいアプリを自ら探してダウンロードし利用します。公式アプリの中には、有償で提供されているものや無償で利用できるものもあり、それらはSaaSベンダーの裁量で提供されています。

SaaS公式アプリはなぜ必要か

SaaSベンダーは日々、自社の製品をいかに良いものにし、顧客を増やし満足してもらうかを考えているものですが、自社の製品と向き合う際どうしても立場によって物事の優先順位が変わってしまうため、社内でジレンマを抱えるケースが多くあります。

例えば、自社のSaaS製品を利用しているユーザが1万人いると仮定して、そのうちの30%のユーザが「こんな機能が欲しい」と考えるとします。

カスタマーサクセスチームやサポートチームといったビジネスサイドの担当者からすると、

「全体の30%ものユーザが必要と言っている。これが原因となり顧客満足度が下がったり解約されたりすると困るため、優先度を上げて開発してほしい。」

と考えます。

しかし、製品開発サイドの担当者からすると、

「ユーザにおける全体の30%なのであれば、もっと優先して開発すべき機能があるため優先順位は上げられない。」

といった考えになり、その結果、部門同士で衝突が起きたり意見が食い違ったりと、ジレンマに陥ってしまうのです。

 

そんな時に活躍してくれるのが、公式アプリです。

製品の主要機能とは切り離した状態で開発を行うことが前提となるため、開発自体を他社に委託することも可能となり、自社のリソースを使うことなく実装することができます。API連携を行えば、ユーザから見ても違和感なく1つの機能として利用できるようになるため、ユーザビリティも担保できることでしょう。

また、他SaaSとの連携等、自社の製品機能として開発をしてしまうと後々管理やメンテナンスが煩雑になりそうな機能を、あえて公式アプリとして外出しにすることで、他社に運用までをまるっと任せてしまうというのも1つの手段です。

自社のSaaS製品の主要機能と公式アプリを上手く切り分けて開発していくことで、ユーザの顧客満足度もキープしながら、製品の性能や機能を充実させていくことができる。
これが、公式アプリのメリットであり必要とされる理由です。

SaaSベンダー提供サービス

SaaS公式アプリストアを展開するベンダー例

公式アプリストアを展開しているSaaSベンダーは、次のような企業があります。

SmartHR公式アプリストア「SmartHR Plus」

SmartHR Plus公式

▽画像出典元:「SmartHR Plus」公式サイト

SmartHR Plusは、労務管理クラウドにおいて6年連続でシェアNo.1となる人事労務ソフト「SmartHR」の公式アプリストアです。

さまざまな課題解決に役立つアプリを幅広くラインナップし、必要なものをエンドユーザが選んで追加することで、SmartHRをより便利に利用することができるようになります。

SmartHR Plusでは、ユーザの“あったらいいな” を実現すべく、ユーザ企業の要望をもとに開発されたアプリが提供されています。

freee公式アプリストア「freeeアプリストア」

freeeアプリストア公式

▽画像出典元:「freeeアプリストア」公式サイト

freee公式アプリストアは、無料から使えるクラウド会計ソフト「freee」の公式アプリストアです。

外部サービス連携や機能拡張をfreeeに追加できるアプリを提供しており、無料で利用できるものも数多く提供しています。

サイト内では”おすすめアプリ診断”を受けることもでき、アプリ連携が初めてという方でも気軽に利用が始められるような工夫がされていることも特徴的です。

Slack公式アプリストア「Slack App Directory」

Slack app derectory公式

▽画像出典元:「Slack App Directory」公式サイト

Slack App Directoryは、ビジネスチャットツール「Slack」の公式アプリストアです。

チャットツールという製品の特性上、連携ニーズは高く開発難易度は比較的低いため様々なクラウドサービスがSlackとの連携を実現しており、公式アプリストアでは、他SaaSとの連携アプリが非常に充実しています。

HubSpot公式アプリストア「HubSpotアプリマーケットプレイス」

Hubspotアプリマーケットプレイス公式

▽画像出典元:「HubSpotアプリマーケットプレイス

HubSpotアプリマーケットプレイスは、マーケティング、営業、カスタマーサービスの業務をつなぐための機能やAIを搭載したカスタマープラットフォーム「HubSpot」の公式アプリストアです。

HubSpotは、公式アプリを提供するストアだけでなく、業務パフォーマンス上げるためのテンプレートを提供する”テンプレートマーケットプレイス”も展開しています。

提供されている公式アプリやテンプレートを活用することによって、より自社に合った形に組み替えていくことが可能になります。

Salesforce公式アプリストア「App Exchange」

App Exchange公式

▽画像出典元:「App Exchange

App Exchangeは、CRM/顧客管理システムやSFA/営業支援システム、MA/マーケティングオートメーションといった機能網羅するクラウドサービス「Salesforce」の公式アプリストアです。

様々なアプリをダウンロードできるだけでなく、アプリの使い方を学ぶための動画視聴や、自社にあったコンサルティングパートナーを探すことができるというのも特徴的です。

国内で唯一アプリストア構築が可能なプラットフォーム「JOINT」

ここまで公式アプリの必要性や、既に展開されている公式アプリストアの例を紹介してきましたが、以下のような悩みを抱えるSaaSベンダーも少なくはないのではないでしょうか。

  • 既に連携アプリを開発し提供しているが、管理やメンテナンスが煩雑になっている..
  • 他SaaSとの連携ニーズはあるが、まだ着手できていない..

このような悩みを解決できる製品が、当社ストラテジットが提供する「JOINT iPaaS for SaaS」です。

JOINT iPaaS for SaaS バナー

JOINT iPaaS for SaaSは、連携アプリを構築できるだけでなく、”国内で唯一”、専用アプリストアを構築する機能が備わっているiPaaS製品となります。

既に他SaaSとの連携は実装できている場合でも、継続してメンテナンスを続けていくことは容易ではないですし、これから実装していく場合も、1から開発し販売手段も検討が必要となると膨大な時間とコストがかかってしまう可能性があります。

SaaS間連携の受託開発から様々なSaaS製品の公式アプリ開発までを幅広く対応し、知識とノウハウを蓄積してきたストラテジットだからこそ、提供ができる製品なのです。

まとめ

公式アプリは、SaaSベンダーが自社の製品をより良いものにしていくための手段の1つであり、その製品を利用するユーザにとってもメリットが大きいということを、ご理解いただけたでしょうか。

製品の主要機能とあえて切り離すことによって様々な効果やメリットが生まれることもあるため、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

 

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この記事を書いた人

株式会社ストラテジット