Googleスプレッドシート いまさら聞けない…使える便利技10選 Part2
今まで表計算機能と言えば専らExcelが主流でしたが、最近では業務用/プライベート用に限らず、Googleスプレッドシート(以下、スプレッドシート)を利用するシーンが多く見受けられます。
実際に仕事で使っていると、チームメンバーに共有する時や、作成者以外が更新する時など、ほんとに便利だなぁと思う事があります。
そんなGoogle スプレッドシートですが、業務で仕方なく使うけどExcelとちょっと違うからあまり活用できていない方や、これから新社会人という方にも活用いただけるような、スプレッドシートの基本の技10選を前後編に分けて紹介します。
今回は後編の5選をご紹介します。前編の5選はこちらからご覧ください。
目次
スプレッドシート内のチャット機能
複数名でスプレッドシートを共有し、作業をしていると変更点の共有が発生します。
スプレッドシートでは他のチャットツールを使わなくてもスプレッドシート内のチャットでコミュニケーションがとれます。
※リアルタイムにログインしているメンバーに限ります。
右上の人が話しているようなアイコンをクリック>右にチャット画面が表示されるので右下のチャット入力欄に記入しましょう。
コメント機能
相手が次に開いた時に見てほしい場合はコメント機能を活用しましょう。
スプレッドシート上でチャットのようにやりとりができ、履歴も残るので便利です。
コメントの追加
コメントを残したいセルをクリック>コメントアイコン>入力欄にコメントを記入>コメントをクリック
該当セルにカーソルを合わせるとコメントが表示されます。
右上のコメント履歴を開くをクリックすると、コメント履歴を見る事も可能です。
また、通知ボタンからメール通知設定を変更することも可能なので、状況に応じて変更してみてください。
共有しているユーザーに何かお知らせする必要があれば、@ユーザー名 でメンションを付けることもできます。
またチェックマークを押下すると「解決済み」になり、スプレッドシート上から見えなくなります。
コメントの再表示
もし一度解決したコメントを再表示したいときは「再開する」より復活させることもできます。
誤ってチェックしてしまった場合は再開しておきましょう。
連続データの入力
行をナンバリングする際に、連続データの入力が必要になる場合があります。
いずれの方法もExcelと共通となりますので覚えておくとよいでしょう。
連番で数字を入力する際、いちいち数字を入力していくのは手間ですし、入力間違いも発生します。
下記方法で入力すると手間削減&ミス防止になります。
手動で設定する方法(オートフィル)
指定のセルに1を入力(この場合は1001と1002)>選択してセル左下にカーソルを合わせCtrlをクリックしながら下にドラッグする
オートフィルを使用するメリットとして、列であっても同じように動作します。
ただし、オートフィルで付番した後に行を挿入・削除すると番号のズレや空白が生じてしまうため、再度付番し直す作業が必要になります。
連続データが数値に限る場合は、メンテナンスも考えると以下どちらかの方法がおすすめです。
関数を使用する方法
ROW関数を使用する方法です。
「=ROW()」を入力すると指定したセルの行番号を返します。
※Excelではイコール【=】やカッコ【(、)】などの記号は自動的に計算式用の半角に変換してくれますが、Googleスプレッドシートでは自動変換がはたらかずエラーとなりますのでご注意ください。
ROW関数の応用で、B列のようにある番号から付番したいといった場合は「=ROW()+999」のように開始したい番号にあわせて数値を調整することもできます。
ときには行だけではなく列にも連続データを入力したい場面もあるかと思います。
ROW関数はその名の通り、行番号を取得するものですので列には使えません。
その場合は、COLUMN関数を使用します。
使い方はROW関数と同様で「=COLUMN()」をセルに入力します。
計算式を使用する方法
シンプルに四則演算する方法です。
例えば、A2セルに1001を手入力します。
次のA3セルでは計算式「=A2+1」を入力し、以降の列はA3をコピー&ペーストします。
「=A3+1」、「=A4+1」…のように参照セルも1つずつズレていくため連番になります。
シンプルな計算式でわかりやすく、式が壊れたとしても初心者の方でもすぐに復旧ができる利点があります。
プルダウンリストの設定
特定の欄には特定の入力規則で入力してもらいたいというシーンもあるかと思います。
例:正→第一営業部
誤→営業、営業部 リテール課、営業部 不動産業界 等
入力間違いを防ぐ為にプルダウンリスト機能を活用しましょう。
リストを範囲で指定
後述の直接指定する方法でも可能ですが、リストを別で作成しておくとメンテナンスが容易になります。
まずは別シートに入力させたいリストを作ります。
設定したいセルを選択>データ>データの入力規則>範囲または数式を入力欄をクリック>作成したリストシートをクリック>該当リスト範囲を選択>OK>保存
指定した範囲にプルダウンが設定できました。
リストを直接指定
シンプルなリストであれば、入力させたいリストを作成せずに直接指定してもよいでしょう。
データの入力規則の画面で、リストを直接指定を選択し、設定したい項目をカンマ区切りで入力します。
別でリストを作成せずともプルダウンが設定できました。
リストの削除
設定したプルダウンリストを削除したいときは「入力規則を削除」からおこないます。
範囲指定した際の元リストは自動で削除されませんので、他のセルからも参照しない場合はそちらも忘れずに削除しておきます。
入力規則の活用
リストの他にもさまざまな条件を設定できます。
入力規則を活用することにより、スプレッドシートにソフトウェアのバリデーションチェックのような役割を持たせることができます。
※入力規則でなくとも、例えば有効なメールアドレスかどうかを判定しTRUE/FALSEを返す「ISEMAIL関数」でも判定はできますが、判定の表示に列が余分に必要となるうえデータが多いとシートが重くなる原因にも繋がります。
むやみに計算式を多用するのではなく、各項目の適正に合わせて入力規則と計算式をうまく組み合わせるようにしましょう。
数字
必ず数字を入れる必要がある箇所に設定します。
例:受注金額、売上高、仕入高
タイプミスによって文字が入ったり、負の数値が入ることを防げます。
テキスト
テキスト:有効なメール と設定すると、メールアドレス形式のみ許可します。
例:担当者メールアドレス
チェックリスト
チェックボックスを表示させることもできるため、ToDoリストのような使い方もできます。
例:タスクが完了したかどうか
重複入力のチェック
同じ列内に、重複しているセルが無いか確認することも可能です。
確認したい列を選択>表示形式>条件付き書式>セルの書式設定の条件>カスタム数式を選択>値または数式の欄に下記数式を入力し完了をクリック
=COUNTIF(A:A,A:A)>1
重複しているセルに色がつきます。数字を修正すると色が消えます。
重複入力を削除
重複入力は削除したいというケースもあるかと思います。
関数を使わず、スプレッドシートの機能で重複削除がおこなえます。
対象のセルを表から一つ選択し、データ>データ クリーンアップ>重複を削除 を選択します。
自動的に表全体が推測されるので、ヘッダーを含む場合は「データにヘッダー行が含まれている」をチェックします。
今回は、案件番号・案件名・受注金額が重複しているものを削除したいので列A、B、Cのみチェックします。
条件にすべて一致した16行目(案件番号:1013,案件名:N,受注金額:10,000)が削除され、
案件番号のみが重複する15行目(案件番号:1013,案件名:O,受注番号:15,000)は削除されずそのままであることが確認できました。
補足
Googleスプレッドシートを使用するうえで知っておいた方が良いことを補足します。
Excelとの違い
使用感はExcelとさほど差はありませんが、比較すると異なる点がいくつかあります。
どちらを使用するか悩んだ場合に参考にしてください。
※こちらで記載しているExcelとは従来のオンプレミス版を指します。
クラウド版のOffice365やOffice Onlineは毛色が異なるため割愛します。
無料で使える
Googleスプレッドシートは、Googleアカウントを持っていれば誰でも無料で使うことができます。
Excelはビジネス目的のWindows機であればプリインストールされていることも多いですが、そうでなければ別途ソフトを購入しインストールする必要があります。
共有、同時編集が簡単
オンラインの特性上、他のGoogleユーザーへの共有や同時編集が簡単に行えます。
Excelの場合、まず共有フォルダに格納する前提があり、かつ共有ブック機能はあるものの競合を起こすこともあり、Googleスプレッドシートほどスムーズに行えません。
変更履歴も見やすく、いつ、どのユーザーがどのセルを修正したか分かりやすいです。
もちろん、指定した時点の状態に復元することもできます。
ファイル>変更履歴>変更履歴を表示
データが自動保存される
Excelは基本的にローカル環境(自分のPC)に保存する方が多いかと思いますが、もし突発的なトラブルでPCが壊れてしまうと復旧が難しいというデメリットがあります。
Googleスプレッドシートでは、入力した情報は常にGoogleDriveに自動保存されるため、実行環境を変えても同じように使うことができます。
Excelでよくある「保存せずにシートを閉じてしまった」のようなミスは起こらないことが一番のメリットではないでしょうか。
ただ、オンラインストレージサービスのため上限は存在します。
定期的に残ストレージを確認しておきましょう。
Googleドライブにアクセス>保存容量 から確認できます。
互換性を気にする必要がない
Excelは約2~3年ごとに新しいバージョンがリリースされており、都度 関数が追加されたり、アクセシビリティが向上したりと少しずつ変化しています。
ゆえに、自分が作成したExcelシートが、バージョンが異なる別のユーザーで開くとエラーが発生する、といった可能性があります。
Googleスプレッドシートでは常に最新のバージョンを使用できるため、SaaSのようにバージョンの違いを気にする必要がありません。
▼SaaSとは?については、こちらのコラムをご覧ください。
スマートフォン・タブレットでも使用できる
Android OS用(Google Play)とmac iOS用(AppStore)も無料で提供されています。
あらかじめインストールして同じGoogleアカウントでログインさえしておけば、お使いのデバイスからいつでも閲覧・編集することができます。
ネット環境で動作するためやや遅い
Googleスプレッドシートはオンラインで使用するため、インターネットが安定しない環境だと使いづらいことがあります。
オフラインで出来なくはありませんが、chrome拡張機能の設定などが必要となり、少しイレギュラーな使い方です。
ネット環境が万全であっても、あまりに膨大なデータや複雑な計算式を多々含んでいるシートは画面の描画に時間がかかるおそれもあります。
グラフ・罫線の種類が少ない
Googleスプレッドシートには基本的なグラフ・枠線(Excelでいう罫線)はそろっていますが、Excelほど豊富ではありません。
例えばGoogleスプレッドシートには斜め線がないため、図形描画で代用せねばなりません。
グラフはデフォルトで用意されている種類はExcelより少ないものの、グラフエディタのカスタマイズで柔軟に設定ができますので使い方次第といえます。
Excelへの変換も可能
ExcelとGoogleスプレッドシートは互換性があるため、相互の変換も問題なくおこなえます。
①Excel→Googleスプレッドシート
Googleドライブにアクセスし、保存したい場所で右クリックします。
ファイルのアップロードから、対象のExcelを選択します。
複数のシートを含む場合などはフォルダごとアップロードすることもできます。
②Googleスプレッドシート→Excel
対象のGoogleスプレッドシートを開き、ファイル>ダウンロード>Microsoft Excel(.xlsx)を選択します。
③Googleスプレッドシート→その他
PDF、CSVなどよく使用するファイル形式にも変換できます。
②と同様にファイル>ダウンロードから希望のファイル形式を選択します。
※ただし入力規則のチェックボックスなどExcelにない一部機能については適宜 変換されますので、ダウンロード後に一度確認することをおすすめします。
マクロ・GASの活用
Excelでマクロ機能やVBAを使用している方もいらっしゃるかと思います。
Googleスプレッドシートでもマクロ機能があり、より複雑なスクリプトはGoogleAppsScript(GAS)でコーディングすることができます。
マクロ機能
拡張機能>マクロ>マクロを記録 から作成できます。
作成したマクロは、マクロの管理から確認でき、ショートカットキーを割り振ることもできます。
実際に裏で作られたスクリプトは、スクリプトを編集から確認・コーディングすることも可能です。
GASとは?
Googleが提供しているJavaScriptベースのスクリプト言語です。
Googleスプレッドシートと同様に、Googleアカウントがあれば誰でも使用できます。
マイドライブから新規作成もできますし、スプレッドシートからでも 拡張機能>App Script から開くこともできます。
ExcelVBAと言語が異なるのはもちろん、Googleクラウドが実行環境となる点も大きな違いです。
共同開発が行いやすく、APIを経由してGoogleの提供するサービス(Gmail、Googleカレンダー etc.)はもちろん、Google以外のSlack、Chatwork、Teams、freeeなど、さまざまな外部アプリと連携できるようになっています。
以上が使える基本のスプレッドシート術10選Part2でした。
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ストラテジットは"SaaSのチカラを全ての企業に"をMissionに掲げ、創業以来 国内外50以上のSaaSとの連携開発を行ってきました。
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